山家岩戸神楽より「元気に育て!」
お客様所蔵
福岡県筑紫野市の町はずれにある山家宝満宮で毎年10月17日に催されるのが山家岩戸神楽です。江戸時代から筑前に伝わっている「里神楽」で、天鈿女命(あめのうずめのみこと)が天の岩戸の前で舞いを奉納する場面があることで「岩戸神楽」と呼ばれています。もともと神楽奉納は氏神に秋の豊作を感謝する神事で、10月1日に参道の鳥居に氏子がねりあげた大注連縄(おおしめなわ)をたてることで秋祭りが始まります。明治期までの岩戸神楽は神職によって舞われる「社家(しゃけ)神楽」でしたが、神職制度の変革にともない氏子たちが参加した神楽社が組織されて伝統の保存につとめています。作品は、思兼乃命との問答ののち改心した荒振神が地域に誕生した赤ん坊の無病息災を天に祈願する場面で、見どころの多い山家岩戸神楽のなかでも一番の見どころとなる場面です。この作品は博多人形の技法を用いて私なりにその様子を表現してみました。
